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アフリカ移住報告書 気候変動の影響が増大する中、紛争が人々を避難民に

2010年以降、アフリカでは移住労働者が53%増加している Photo: Muse Mohammed/IOM

【ジュネーブ/アジスアベバ】国際移住機関(IOM)とアフリカ連合委員会(AUC)がこのほど発表した報告書によると、2022年、紛争と暴力は依然としてサハラ以南アフリカにおける人々の避難と移動の主たる要因を占めているが、気候変動によるショックと危険の増加により状況はさらに悪化している。  

アフリカ移住報告書」の第2版として発行された本報告書では、移住は国境を越えるよりむしろ、大多数がアフリカ大陸内で起きていることが強調されている。

本報告書では、アフリカにおける移住促進要因として、経済格差、政情不安、気候変動の影響などの相互の関連性も分析している。

2022年には、エチオピア、ソマリア、ケニアなど「アフリカの角」地域で長引く干ばつや、アフリカ大陸全域で発生している深刻な季節性の洪水が記録的な数の国内避難民を発生させたことをはじめ、多くのアフリカ諸国が紛争と気候変動の影響を同時に経験した。

 

エイミー・ポープIOM事務局長は、こう述べる。

「紛争、暴力、そして気候変動が誘引する災害は、アフリカのみならず世界中で、国内避難民を発生させる大きな要因となっています。私たちは、早期警戒システムを整えつつ持続的な解決策を見つけ、人々の移動を予測する積極的で戦略的かつ革新的なアプローチを採用しなければなりません。」

サハラ以南アフリカでは、世界の他の地域とは対照的に、新たに発生した紛争による避難が増加した。2022年には、紛争による避難民が900万人、そして、気候変動による避難民が740万人生じた。

また、アフリカの移住労働者は2010年と比べて53%増加している。西アフリカ、中央アフリカ、南部アフリカ、東アフリカからの移民は、主に近隣のアフリカ諸国に居住しており、特に陸上の国境を共有する国々において、アフリカ内での人々の帰還の重要性が浮き彫りになっている。

同大陸における人の移動のデータベースは体系化されていないが、本報告書は、アフリカにおける移住や人の動きに関するデータのアクセスと質には、近年かなりの進展が見られたとしている。本報告書はさらに、世界が新たに複雑な課題と危機に直面する中で、国・地域・大陸レベルでのステークホルダー間の連携の強化、並びに既存のデータに基づいた前もった行動や見通しを知らせていく必要性を提言している。

本報告書はさらに、各国政府が移民の福祉を守ることを約束し、アフリカ全体の移民関連政策を調整していく必要性を指摘している。こうした政策の多くは、2018年に採択されたアフリカ連合(AU)加盟国および地域経済共同体の移住管理の指針となるフレームワーク「アフリカのための移民政策枠組み(改訂版)」に組み込まれている。

 

AUCのミナタ・サマテ・セスマ大使(保健・人道・社会開発担当)はこう述べた。

「本日、AUとIOMによるアフリカ移住報告書(第2版)の発表のために皆さまにお集まりいただきました。これは、私たちが、歴史的観点を記録しながら、アフリカの人の移動に関する客観的な事実を描写し、アフリカ大陸における人の移動を支えるフレームワークに情報提供していく重要なイニシアティブです。」

本報告書は、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)のようなアフリカの地域内協力の枠組の可能性を認識すると同時に、同大陸における人の移動の複雑性を強調し、また、移住管理における福祉中心のアプローチを求めている。

「ナラティブの挑戦」と題された2020年発表の第1版では、一般的に信じられていることに反し、アフリカでは大陸内の移住が大陸の外への移住を上回ることが明らかとなったが、今般の第2版でもこの傾向は踏襲されている。

COVID-19の流行下に世界が経験した移動制限にも照らし、第1版、第2版とも、人の移動を管理する上で、よく練られた政府の政策の役割を強調している。  

 

IOMとAUCは、過去20年以上に亘り移住関連の課題について連携し、アフリカ大陸における人の移動の管理を支える枠組みを策定し、加盟国の効果的な移住管理を支援してきた。

 

■ダウンロードはこちら 報告書全文(英語)